Reliance Matrixによるダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを活用した従業員福利厚生の再構築

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2024年11月7日

従業員の福利厚生は、有能な従業員を雇用し続けるための手段として、長い間企業で活用されてきました。医療給付が最たる例ですが、他にも生命保険や所得補償保険は数十年にわたり、ほとんど変わることなく利用されてきた福利厚生です。

では、これらはダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)とどのように関係があるのでしょうか?

フィラデルフィアにある東京海上グループのPhiladelphia Insurance Companies(PHLY)のThea Valeroは、会社のCSRを牽引する立場から、常に環境の変化を目の当たりにしてきました。

同社のDE&I会議の創設メンバーでもある彼女は2021年、姉妹会社であるReliance Standard Life Insurance Company(現「Reliance Matrix」)の人事チームの一員としてDE&Iの推進に携わることになります。

「当初は“サステナビリティ”や“Good Company”の原則に則った活動に重点が置かれていた弊社ですが、5〜6年ほど前からは明らかに、多様性や公平性、DE&Iの重要性が急激に加速しました」

現在はReliance Matrixで役員を務めるThea Valeroは、Philadelphia Insurance Companies(PHLY)で東京海上でのキャリアをスタートしました

一方、Reliance Matrixで20年近くお客様への提案を統括してきたPatrick Boyleは、この急激な関心の変化について「私達は長年、お客様やブローカーと関わり、いかに我々の商品が彼らのニーズに沿ったものであるかを考えてきました。ですがほぼ一夜にして、お客様の関心も『雇用主としてDE&Iをどのようにサポートしているか』ということから、『商品設計やサービスの提供を通じてどのようにDE&Iをサポートし、推進させるのか』ということに変わったのです」と語ります。

「そのような変化に対応するためには、そもそもの前提から見直す必要があると考えました」

Reliance Matrixの商品担当ディレクターのMargaret Reidは「生命保険や所得補償保険は一見単純に見えます。生命保険は加入者の死亡時に受取人に保険金が支払われるものですし、所得補償保険は加入者が病気やケガで働けなくなった際の賃金の一部を給付するものです。ですが、例えば保険契約条項に『夫』や『妻』について記載がされている場合、シビルユニオン(法的に承認されたパートナーシップ関係)や同性婚はどうなるでしょうか?」と指摘します。

「また団体生命保険では様々な条件のほか、男女比も勘案して契約がなされます。しかし従業員の一部が『男性』とも『女性』とも特定できない場合はどうなるでしょうか?そんなに単純ではないことがわかりますよね」

Margaret Reidは、女性従業員リソースグループ(ERG)の共同議長およびDE&I会議のメンバーとして、新しい世代のReliance Matrixの顧客やパートナーへのベストプラクティスの提供をサポートしています

一方Valeroは、Reliance Matrixのお客様やブローカーのDE&Iに関連する期待やニーズの変化を検討するため、部署横断でチームを招集した市場分科会をDE&I会議内に創設しました。

シニアコミュニケーションスペシャリストで、DE&I 会議の新規メンバーの一人であるJennifer Smithは、この分科会の使命をすぐに魅力的だと感じました。彼女は90年代にReliance Matrixでキャリアをスタートし、2010年に業界を離れましたが、2023年に復帰した時の同社は以前よりはるかに大きい、全く別の組織に生まれ変わっていたのです。

「以前と同じ従業員がまだ多数勤務していましたが、それまで感じたことがなかったエネルギーを感じました。私はすぐにその一員になりたいと思ったのです」

重大疾病、事故や入院保険などの医療保険は比較的手ごろに、場合によっては年間で5,000ドル以上にもなる医療費に備えることが出来ます。商品戦略ディレクターのMatt Ennisによれば、こうした保険こそ、DE&I原則の影響をより強く受けるということです。

「これらは多くの場合、従業員が自ら選択し、自ら保険料を負担することから、問題解決に役立ち、価値あるソリューションを提供することが必要不可欠です。そのためには、データや従業員の構成をしっかりと把握する必要があります」

「魅力を高めるためには、ブローカー、雇用主、保険会社が協力・連携することが最も効果的です。年齢・人種・職業等の人口属性による健康状態の格差を認識し、それに対処することが重要です。たとえば米国では、成人の糖尿病はアフリカ系アメリカ人に多い一方で、腎不全の発症率はヒスパニック系で高い傾向にあります」

Margaret Reidも続けます。「たとえば乳がんは人種による発症率の格差はありません。しかし治療後の経過はアフリカ系アメリカ人のコミュニティで統計的に悪い傾向にあります。保険会社としてこうした状況をどうすれば改善できるかを考えた場合、マンモグラフィなどの健康診断が保険対象であり、利用可能であることを従業員やその家族に伝えることも一つの方法なのです」

また、Reliance Matrix のシニアバイスプレジデント兼CUO(最高引受責任者)であり、DE&I会議の創設メンバーであるDave Shawはこう指摘します。

「保険商品・サービスを改良すること自体は無限の可能性がありますが、持続可能で保険金を無理なく支払い続けることが出来る商品でなければ、提供が困難になってしまいます。保険の仕組みを常に念頭に置き、リスク要素があることを理解し、適切に保険料に反映しなければならないのです」

リスク要素は日常的なものからそうでないものまで様々です。例えば極端なリスクの例として、性別適合手術が挙げられます。「雇用主もしくは保険会社としては、従業員各個人が本来の自分として勤務することを快く受け入れるべきです。そしてそのメリットは、本人だけでなく組織全体に及びます。しかし実際の保険提供時には、そうしたことを含めて多くの事を検討しなくてはならず、それらの問題を解決できる統一の答えは存在しないのです」

Shawに今後の見通しについて尋ねると、恐らく“標準化”であるだろう、と語りました。

「保険業界全体が、新たな視点を反映させるために古いツールをいかに改良するか、あるいは見直しするかという作業と格闘していると思います。そしてそのためには何が正しくて何が重要なのかを認識し、業界で足並みをそろえる必要があります。実際に次世代のリーダーや意思決定者たちは、すでにスタートを切っています」

Valeroも同意します。「私自身も着任当初は、私たちのDE&Iプログラムが業界全体にどのような影響を与え、加速させることができるのかについて限られた見解しか持っていませんでした。ですが今は、あらゆる面でチャンスや可能性を実感し、改善の余地は尽きることがないと感じています」

最後にShawはこうまとめました。「変化することこそ、唯一の不変です。楽観的すぎるかもしれませんが、配慮に富み、インクルーシブで公平な商品やサービスを提供する”ドライバー“としての私たちの未来は、より良い明日に向かう適切な変化だと思います。決して急で無理のある変化ではないと確信しています」

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