質疑応答要旨
以下は、2025年11月19日に開催された機関投資家・証券アナリスト向け2025年度第2四半期決算電話会議の質疑応答の要旨です。
- Q1米欧保険市場および北米クレジット市場のソフト化影響をどのように修正予想へ織り込んでいるのか。
- A1
主にTMHCCや欧州において、D&Oやサイバー、ラージプロパティなどの種目のレートダウンの影響を受けており、トップラインを下方修正しているが、徹底したボトムフォーカスにより収益への影響は軽微。一方、International事業全体では、PHLY、DFG、ブラジルTMSRがトップライン成長を牽引している。
北米クレジットについて、当社北米資産運用の着地見込みは計画対比ほぼインラインを見込む。年初予想では、米金利の利下げを3回程度織り込んでおり、実態と大きく乖離していないことから、インカムは概ね年初計画通りに推移する見込み。CREローンに係るキャピタル損は、市況が横ばい~緩やかな回復にある中で、一部の物件で評価益を計上したことにより年初予想対比で少ない。一方、CREローン以外のローンではキャピタル損が増加しているが、大宗がプライベートローン(ダイレクトレンディング)によるもの。高金利環境が続いたことで借り手の利払い負担が増加しており、一部セクターにおいて一定の減損・CECL積み増しを織り込んでいる。損失案件については個別に詳細分析をした上で、必要に応じて投資規律を厳しくするなどの打ち手を講じているが、CREローンのオフィスセクターのような構造的な問題とは異なり、景気や信用サイクルの中での一時的な事象と捉えている。 - Q2決算電話会議資料P43について、CREローンの残高は前年度末から減少している。差し押さえに伴う残高減少が一因だと思うが、足元で差し押さえ済みの残高はいくらあるのか。
- A2
2Q時点の差し押さえ残高は約USD1bn。P43に記載のローン残高 USD9.6bnと合わせた約USD10.6bnがCREローンビジネスの残高。
- Q3欧州のトップライン下方修正の要因は。
- A3
TMKで引き受けているリスクの過半が北米であり、プロパティ種目等、一部ラインにおけるソフト化影響を織り込んだもの。
- Q4政策株式売却額の修正計画は、保守的と理解してよいか。
- A4
政策株式売却額の修正計画6,600億円(年初計画対比+600億円)は、現時点で今年度中の売却合意が得られたものを織り込んでおり、保守的なものではない。
- Q4(更問)追加的な売却合意が得られた場合には、計画を上振れることがあり得るということか。
- A4(更問)
「2029年度までの保有ゼロ」に向け、発行体企業との売却協議は継続中。その中で、追加的に今年度中の売却合意が得られれば、修正計画をさらに上振れることになる。
- Q5国内自然災害予算を据え置きとした背景は。
- A5
下期に600億円超のファンドを残した計算となるが、雪害や、近年多発している雹災が下期中にも起こりえること、また雹災は昨年4月のように一事故の雹災の損害が大規模となる可能性もあることを踏まえ、据え置きとした。下期の自然災害実額が、過去5年平均で、約300億円、最大で約500億円であることを踏まえれば、今年度の下期の自然災害予算はややバッファーが大きく映るが、大規模雹災等の可能性を考慮しているものとご理解いただきたい。
- Q5(更問)上期実績は、年初予想対比でどうか。
- A5(更問)
過去5年平均の上期実績と比較すると少ない水準となっている。
- Q6自動車保険について、現中計「2026年度C/R95%以下」への達成確度は。
- A6
現中計の達成をめざし10月に料率改定(+8.5%)を実行した。上期の動向としては、事故頻度を中心に月毎に上下があるが、引き続き事故頻度・保険金単価等の収支動向を見ながら必要に応じて機動的な対策を講じていきたい。
- Q7公表した自己株式TOBの経緯を教えて欲しい。今後も同様の手段での自己株式取得が起こり得るか。
- A7
三菱UFJ銀行より当社株式売却の申し出を受け、売却のタイミングや手段について協議を重ねてきた中で、今回の公表に至ったもの。詳細は公開買付届出書あるいはリリースペーパーをご確認いただきたい。尚、当社は2024年度上期の自己株式取得の一環として、トヨタ自動車の当社株式の売却意向を受けて、同様に自己株式TOBを実施しているが、今後についてはその都度判断していく。
- Q7(更問)こうした手段で自己株式取得を行うことについて、株主のメリットは何か。
- A7(更問)
応募予定株主が当社株式を市場で売却した場合に想定される一時的な需給悪化を回避することができる。また、公開買付けであれば、市場株価に対して一定のディスカウントを行った価格での買付けとすることで、自己株式の取得資金の抑制が可能となる。
- Q8東京海上ダイレクトの広告費用増加の背景を教えてほしい。
- A8
お客様の行動変容が進む中、ダイレクト市場への取組み強化を図るため、7月下旬にイーデザイン損保から東京海上ダイレクトへのリブランドを公表し、10/1付で社名変更を行った。その効果として、10月単月では、成約件数・保険料ともに前年同月対比で1.2倍程度と好調。
- Q9国内自動車保険について環境変化が生じているか確認したい。10月に実行した+8.5%のレートアップに関して、手応えはどうか。また、政策株式の売却が進む中でフリート契約への影響はあるか。
- A9
TMNF単体の10月成績は、自動車保険全体の収入保険料は対前年107.0%、フリート契約は同113.2%と順調に推移。代理店チャネルが有する強み・お客様との強固なリレーションにより、取組みの推進・実行ができていると考えている。
- Q102026年度にC/R95%下回ってもレートアップは続けられるか。
- A10
インフレに伴う部品費の上昇や、労務費の適切な転嫁といった社会環境に伴う工賃増加など、足元の不透明な状況を踏まえれば楽観視できる状況ではなく、今後も、収支動向を見ながら必要に応じて機動的な対策を講じていきたい。
- Q11Japan Lifeについて、長期ゾーンの円金利が上昇する中で、債券の入替えなどリスクはあるか。また、金利リスクをとった商品の導入など、商品ミックスについて何か検討しているものはあるか。
- A11
円金利が上昇する中においても、従前通りALMによって適切にコントロールしている。債券の売却損は一定程度想定しているが、ブロック再保険なども活用しながら最適な金利ヘッジ戦略を実行していく。また、商品ミックスについては、9月に一時払終身保険(あんしん夢終身)を発売したが、今後も、金利リスクを抑制できる商品設計を検討しながら、貯蓄性商品の販売拡大を進めていきたい。
- Q11(更問)例えば40年国債の円金利動向をトリガーに戦略見直しを行うのか。
- A11(更問)
特にトリガーは設定しておらず、全体の中でMCEVに対する金利感応度やリスク量をみながらコントロールしている。
- Q12Japan P&Cにおけるその他新種の発生保険金について、修正予想で増額した背景は。
- A12
大口事故が年初予想対比で増加したことを踏まえ修正している。
- Q13サイバー保険の発生保険金は増加傾向にないか。
- A13
現時点では、大きな増加傾向にはない。
本資料は、現在当社が入手している情報に基づいて、当社が本資料の作成時点において行った予測等を基に記載されています。これらの記述は将来の業績を保証するものではなく、一定のリスクや不確実性を内包しております。従って、将来の実績が本資料に記載された見通しや予測と大きく異なることになる可能性があることをご承知おきください。