2022年度第2四半期決算電話会議

質疑応答要旨

以下は、2022年11月18日に開催された機関投資家・証券アナリスト向け2022年度第2四半期決算電話会議の質疑応答の要旨です。

Q12023年度の修正純利益見通しについて、P30 Normalizedベース2022年度通期予想に、22年9月末の為替水準が維持される前提で、国内為替影響分・400億円程度が加算されるという見方で良いか。その他、考慮すべきプラス要素、マイナス要素は。
A1

為替効果はご理解の通り。TMNF約410億円+AL約20億円=430億円が来期の発射台を押し上げる。国内火災保険のレートアップ効果発現、国内新種保険拡大、海外金利上昇に伴うDFGのインカム増、国内政策株の売却加速などもプラス要素となる。一方、上昇が見込まれる再保険コストはマイナス要素となり得る。その他留意すべきは、国内自動車保険の収支状況、海外インフレを踏まえたレートアップ動向などであり、状況を注視していく。

Q2TMNFの2022年度修正予想の増減要素を確認したい。自然災害や準備金を除く保険引受利益の下げ要素は。
A2

コロナ保険金で▲250億円(税引後)のほか、大口事故増加の影響が主因。自動車保険のクレームコスト増は一定織り込んでいるが、収益全体への影響は限定的。引き続き、状況を注視する。

Q3P18自動車保険の損害率は自然災害を除くベースでも悪化しているのか。それを踏まえた今後の戦略は。
A3

損害率悪化の要因は、自然災害増加とコロナ反動が大半を占めるが、想定対比での若干の保険金単価増、事故頻度増も含まれる。今後のリスク要因はインフレ影響の発現度合い。支払保険金のうち、インフレ影響を直に受ける修理部品代が占める割合は必ずしも高くないが、今後の動向を注視し、必要に応じて、商品改定も機動的に検討していく。

Q42023年度業績のダウンサイドリスクとして、ソーシャルインフレやリセッションの影響、課題認識について教えて欲しい。
A4

ソーシャルインフレに対しては、リザーブ積増、レートアップ、早期和解促進などプロアクティブに対策を講じてきており、引続き収益性を重視した対応を行う。経済インフレについても、引受ポートフォリオ自体が相対的に影響を受けにくい構造であるうえ、将来のロスコスト想定を上回るレートアップ、免責金額引上げなど様々な打ち手を講じることで影響を抑えていく。リセッションに伴う影響としては、経済活動減速によるトップラインの減少、企業倒産増加に伴う減損の一定の増加等は想定し得る。リセッションの深さ・長さにより影響も異なるため、今後の動向を注視していく。

Q5ハリケーンIanについて、過去のハリケーンと比較してLoss見込みは低位にとどまっている。北米におけるリスクコントロールの成果と見て良いか。
A5

Nat Catの引受については、ポートフォリオの見直しなど注意深く対策を講じてきた。2018年のTMR売却もその一環。米国においては、ハリケーンの進路を勘案した州毎のエクスポージャー管理を実施しており、この効果もあると見ている。Nat Catの影響を受けにくい種目を引受けることによる分散効果も効いている。Lossの規模はハリケーンのルート次第の面もあるが、引続き適切に対応していく。TMKはかつてNat Catのエクスポージャーが大きかったが、引受種目の絞り込みにより、自然災害の影響を受けにくいポートフォリオに変更してきたことが奏功している。

Q65月のIR説明会で、政策株式売却加速の検討を進めるとのことだったが、これまでの議論の状況や手応えはどうか。
A6

これまで、CG基本方針を変更し、政策株式削減の取組みを強化するとしてきたが、まさに投資先企業との対話を行っているところ。こうした対話強化の効果も現れてきていることから、2023年度は現中計の年間1,000億円の売却計画から上乗せし、1,200~1,300億円への加速を目指す。次期中計に向けては、5割増し程度への加速を検討している。具体的な数字は次期中計発表時にお示しする。

Q7 P12あんしん生命の2Q実績:対前年▲128億円に対し、P29の通期予想:同▲150億円と、下期のマイナス影響は限定的に見える。コロナ影響等も一定残ると思うが、妥当なのか。
A7

コロナ保険金については、上期で支払備金を積んでいるため、下期の影響は限定的。その他、一定のヘッジコスト上昇は想定しているが、下期における大きな下方修正要素とはならないと考えている。

Q8コロナ保険金について、今後の価格転嫁や、回収にかかる時間軸はどう考えれば良いか。生保は難しいと考えるが、損保および台湾はどうか。
A8

今期のコロナ損失見込み・約1,300億円(税引後)のうち、960億円を占める台湾コロナ保険は、既に売り止めているため、回収は不可。国内損保・250億円は、1年契約の傷害保険や超ビジネス保険が主であり、今後の更新時にRate Upも含めて然るべく対応していく。生保については、健康還付給付金の減額と相殺される契約も一定有しているが、その他商品での回収は難しい。

Q8(更問)今回の件も踏まえ、台湾ビジネスに関する考え方に変更はあるか。
A8(更問)

出資先である新安東京海上社について、コロナ前までの当社出資分は既に配当で回収済みである。今回の増資は、大きく2つに分けて考えており、①保険金支払いに充当する分は、保険会社としての責務だと考えるとともに、レピュテーションの観点も踏まえる必要がある。一方、②その後の新安社の事業継続分については、台湾市場の今後の高い成長性の取り込みを見込み、他の投資案件対比で問題なく経済合理的である。

Q9P29、2022年度・通期予想における為替影響、TMNFが▲410億円、海外が+460億円とあるが、グループ全体では差し引きでネットされるという考え方で良いか。
A9

然り。海外は円換算利益がプラス、国内は外貨建支払備金増と為替ヘッジ損等がマイナスとなる。グループ全体では、当年度修正純利益に対し、1円の円安につき、約2億円のプラスとなる。但し、国内分の為替影響はワンオフであり、為替が足元から一定であれば、次年度利益の切り上げ要因になる。

Q10米国におけるレート環境について、足元のレートアップはピークアウトしているのか。種目毎の特性や、インフレ・Ianの影響はどうか。
A10

種目により濃淡はあるが、総じて上昇幅が抑えられてきている傾向であったところ、資本市場から提供される資金がタイトになってきていること、Ianによる再保険への影響なども考慮すると、ハード化の減速傾向に一定の歯止めがかかり、今後もハードマーケットが継続する可能性がある。種目によってはアップ幅が拡大していくことも想定され、今後の動向を然りと見極めていく。

Q11上期には目立った事業投資はなかったが、足元のM&Aのパイプラインはどうか。円安環境も踏まえた今後の投資と還元のスタンスは。
A11

大型M&Aは、バリュエーションが割高であることに加え、コロナ環境もあり、引続き忍耐強さが必要。従って、ボルトオンM&Aが取組みの中心となるが、足元においても一定のパイプラインを有している。また、ESRはターゲットレンジ内にあるため、年初時点での配当・還元方針を現時点で変える必要はないと考えており、今般、残りの自己株式取得・500億円を決定した。

Q12台湾コロナについて、想定累計感染率を44%としているが、妥当なのか。
A12

当社が売止めとした2月15日までの感染率がポイントとなるが、第3波の発生も含めてバッファーを織り込んでおり、一定保守的な設定であると考えている。

Q13北米マーケットにおいて、D&Oなど一部のプロフェッショナル種目はソフト化傾向にあるようだが、D&Oシェアの高い当社への影響は?
A13

レート環境は種目毎にばらつきがあり、D&Oの状況は認識している。当社D&Oはピア対比で一定の強みがあるが、全体への影響は限定的。

本資料は、現在当社が入手している情報に基づいて、当社が本資料の作成時点において行った予測等を基に記載されています。これらの記述は将来の業績を保証するものではなく、一定のリスクや不確実性を内包しております。従って、将来の実績が本資料に記載された見通しや予測と大きく異なることになる可能性があることをご承知おきください。