2020年度決算IR電話会議

質疑応答要旨

以下は、2021年5月20日に開催された機関投資家・証券アナリスト向け2020年度決算電話会議の質疑応答の要旨です。

Q121年3月末のESRが127%あるにも関わらず、何故資本調整を行わなかったのか。利益の蓄積が進めば年度末に向けてESRは更に向上するはずだが、枠を1,000億円に限定した理由は何か。
A1

従来より資本水準の調整については、ターゲットレンジの範囲内にある場合には市場環境や事業投資機会等を総合的に勘案して決定することとしている。新中計においても同様の考え方を踏襲するが、今回の変更は透明性を増すために行うもの。3月末のESRをベースに今年度の利益・資本の積み上がり、事業投資機会、市場環境等を総合的に勘案し、金額を決定しているが、透明性向上の観点から1,000億円の枠を事業投資との合算で「必ず使う金額」として年初にお示しすることとした。また、資本水準の調整はこれまで上期、下期の年2回のタイミングでしか行ってこなかったが、今後は年間を通じて機動的に実行することとした。ご指摘の通り順調に利益が積み上がり、優良な大型M&Aの機会も無ければ、ESRの上昇につながることとなるが、そのような場合にはこれまでと同様に規律をもった対応を検討し、ターゲット上限の140%を超えた場合には事業投資や株主還元等のアクションを必ず実行することとなる。

Q2自動車の収支トレンドについて、19、20、21年度の保険引受利益の推移と、異常危険と初年度収支残の補正を加えた実力ベースの推移を知りたい。
A2

自動車の保険引受利益は19年度971億円、20年度787億円、21年度1,186億円、異常危険と初年度収支残を除いたベースでは、19年度886億円、20年度1,723億円、21年度840億円となっている。

Q3株主還元について、期中ではボルトオン買収の実行有無が不透明だと思うが、資本水準の調整と合わせて1,000億円という上限がある中でどのように運用していくのか。
A3

ご指摘の通り、ボルトオン案件の有無を期中に判断することは難しいが、資本水準の調整については期中に機動的に実施することとしており、また事業投資については優良な機会があれば積極的に検討・実行していく方針としているため、結果的に合算で1,000億円の枠に収まらないケースはあると考える。

Q4次年度以降の株主還元の考え方について教えて欲しい。今回設定した1,000億円という金額に縛られることになるのか。
A4

当社としては機動性や透明性といった観点からより良い手法が無いか継続的に検討しており、次年度以降についても、今後市場関係者の皆様と議論を進めながら検討していきたい。

Q5自然災害や各種準備金等を除いたベースでは、国内の保険引受利益は悪化すると思うが、これは自動車によるものか。
A5

ご理解の通り、自動車においてコロナの反動により悪化を見込むことによるもの。なお、自動車のC/Rについては19年度60.8、20年度54.3、21年度61.1という推移となっており、21年度は平年ベースと考えていただければ良い。

Q6出再コストについて動向を教えて欲しい。
A6

具体的な数字はお答えできないが、近年の自然災害の動向を受け、20年度更新において出再コストは大幅に上昇しており、その後足元の21年度4月更新においても去年ほどではないにせよコストは上昇している。

Q7自然災害リスクの保有の考え方について説明して欲しい。
A7

当社は従来より、自然災害リスクの出再については期間を永久にとれば再保険のマージン分負けるため、王道は、グローバルなリスク分散にあると考えている。今後もこれまでと変わらずに、キャピタルイベントのカバーは買うが、アーニングスカバーについては経済合理性を検討した上で判断していく。

Q8資本水準の調整は決算発表等のタイミングに限らず実施するという理解で良いか。
A8

然り。機動的に実施していく。

Q9年初に発表したSSLの買収は21年度の1,000億円の枠に含まれるのか。
A9

含まれない。本日以降、来年度の決算発表の日までに公表するボルトオン・中小規模の投資案件が含まれることとなる。

Q1021年度のコロナ影響の見込みについて教えて欲しい。P5の21予想のスライドに記載のウォーターフォールに金額が含まれているのか。
A10

21年度については、コロナの影響を特定して集計することが困難であるため、具体的な影響額はお示しできない。ただし国内外ともに、コロナの長期化に伴い、保険引受や資産運用に対する影響が一定程度生じうるとは考えている。ウォーターフォールについてはスライドに記載の通り、あくまで「2020年度の反動」を示しているもの。なお、P5下段の修正純利益ウォーターフォールの「2020年度の反動」の金額がP6の2020年度コロナ影響のスライド記載の金額と異なるのは、修正純利益の定義変更により初年度収支残の影響額を控除していることや為替の影響を勘案しているため。

Q11従来から掲げている中長期ターゲット(マイルストーン)「修正純利益5,000億円超、修正ROE12%程度」に対する進捗状況や道筋については来週のIR説明会で説明してもらえるのか。
A11

然り。中長期ターゲット(マイルストーン)に向けた取組みや達成に向けた自信等について説明させていただくので、楽しみにしてほしい。

Q12今後のボルトオンや中小規模の投資案件については、それが資本水準調整1,000億円の「枠内」か否かをお示しいただけるという理解で良いか。
A12

今後の案件について、それが枠内かどうかを示すことは考えていない。なお、この枠内に含まれる投資案件について具体的な金額の閾値を設けているわけではないが、過去の実績も踏まえ、$数十~100M程度の案件を中心に、数年に一度$200~300M程度の案件へ投資があることを想定している。

Q13将来のボルトオン案件の可能性を考慮すると、期中で1,000億円全ては費消されないと考えて良いか。
A13

資本水準の調整については期中に機動的に実施することとしており、また仮に期中で1,000億円費消したとしても、事業投資については優良な機会があれば積極的に検討・実行していく方針としているため、期中に資本水準の調整で1,000億円費消し、事業投資と合算で1,000億円の枠に収まらないケースもあり得る。

Q14ボルトオン買収の検討はインサイダー情報にあたるのか。インサイダー取引規定等の観点から、インサイダー情報になるM&Aを検討している場合には自己株式取得は出来ないという理解で良いか。
A14

ボルトオン買収の規模を考えれば、インサイダー情報には当たらないケースがほぼ全てではないかと思うが、いずれにしろ当社としては法に則って適切な対応を行っていく。

Q1521年度の普通配当215円の前提となる配当性向について教えて欲しい。
A15

新定義ベースの修正純利益に対する配当性向は43%、財務会計利益に対しては47%となる。

Q16新ESRについて、2017年以前と同様に移動制約資本控除後の数字を使用することになるが、ターゲットレンジの上限を以前の130%から140%に引き上げた理由は。
A16

新しい基準においては、過去移動制約資本控除後のESRを採用していた際とターゲットレンジの上限の取り扱いを変えており、上限を超えた場合には必ずアクションを取るとお約束している。こうした変更を勘案して上限を引き上げたもの。

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