保険起点でのサーキュラーエコノミーの推進

東京海上グループのあらゆる活動の原点には「お客様や社会の“いざ”をお守りする」というパーパスがあります。私たちはこのパーパスを起点にさまざまなサステナビリティ活動に取り組んでいますが、グローバルに事業を展開する保険会社、機関投資家として、特に注力するべき重点領域(マテリアリティ)の一つが「気候変動対策の推進」です。
その取り組みの中で、社内プロジェクト制度に自ら応募した社員たちが地域のビジネスパートナーと協働して進める「保険起点でのサーキュラーエコノミー」推進活動について、東京海上日動のメンバーに話を聞きました。

(写真左から)
東京海上日動火災
大阪自動車営業第一部 塩見 有香
福岡支店 岩瀬 雅彦
海上業務部 上野 雄羽
化学産業営業部 石政 雄太
化学産業営業部 下 真由

プロジェクトの活動を通じて、新たな回収循環のプラットフォームを構築

上野
我々は社内のプロジェクト制度に応募して集まったメンバーで、普段は異なる職場で働いています。保険事業を通じた社会課題解決を議論している中で、“保険を活用したサーキュラーエコノミー移行の促進”がテーマとして挙がりました。
サーキュラーエコノミーは、“資源循環”や“製品の使用寿命の延長”等、様々な概念がありますが、このチームでは特に“資源循環を促進させる保険の開発”に取り組んでいます。その一環で、衣料品やペットボトルの原料となるPET(ポリエチレンテレフタレート)を対象とした独自のケミカルリサイクル技術を商用化している株式会社JEPLANと業務提携を行い、リサイクルを促す保険や回収循環の仕組みの提供を進めています。

サーキュラーエコノミーをお客様と共創する

私は、日用品や消費財の製造業を担当する部店に所属しているため、排出事業者に当たるお客様に資源循環のニーズや課題をお伺いし、提案資料の作成を進めました。なぜ保険会社がサーキュラーエコノミーに取り組むのかを理解いただくことに注力するとともに、私たちだけでは解決できない広い課題も知ることができたと感じます。
石政
私は、化学産業を担当する部店に所属していますので、ケミカルリサイクル等の新しい技術をお客様から教えていただくとともに、事故情報が多く集まるという当社の強みとお客様の技術をつなげるエコシステムの構築を進めています。具体的には三菱ケミカルグループ・ABT社と使用済み自動車からの廃棄素材の回収・リサイクルスキームの構築に向けた実証実験を開始する等です。従来の保険会社像とは異なる連携に、社内外で「東京海上日動がこんなことをやるんだ」と驚きをもって捉えられた活動になっており、このような取り組みを広げていきたいと考えています。

具体的な経済活動で、気候変動対策に取り組む

塩見
サーキュラーエコノミーの概念は広く、まだ社内でも十分に理解が浸透しているとは言えません。そこで、私は社内での広報活動を進めました。また、JEPLAN社と連携し、当社内で実施した資源循環の経験(社員から古着を回収し、オリジナルのエコバッグを制作)を活かし、代理店やお客様の店舗へ洋服回収ボックスの設置を展開する企画を進めました。お客様や代理店が起点となって、資源循環の輪が世の中へ広がっていくだけでなく、地域の人々との交流や来店が増える等、大きな可能性を感じています。
岩瀬
私は、取り組みを対外的にお伝えすべく、メッセナゴヤへの出展や当社拠点ビルを活用したSDGsイベント等の企画を地域の部店とともに進めていきました。また、JEPLAN社のケミカルリサイクル技術を活用したペットボトルの資源循環については自治体の関心も高く、共同アプローチを進める中で、賛同をいただいております。今後も全国に広く展開していければと期待しています。
上野
サーキュラーエコノミーへの移行はお客様の中でも重点取り組み課題の1つになってきています。単なるサステナビリティ策としてではなく、経済活動として確立できるよう、様々な企業が連携し合う必要があるものですので、賛同いただける企業・自治体の皆様から意見をいただきながら、エコシステムの構築に貢献していきたいと思います。」