PHLY - コミュニティを核とする損害保険会社

2024年3月28日

Philadelphia Insurance Companies(PHLY)は60年の歴史を持ち、非営利部門をお客様とする最大手の保険会社のひとつに成長しました。

2008年に東京海上グループの一員となり、現在では中小企業向け商品を中心に幅広い損害保険を扱っています。従業員数は2,000人を超え、120のニッチ市場における経験と専門知識を有しています。

PHLYの社長兼最高経営責任者(CEO)、東京海上ホールディングスの執行役員であるJohn Glombが、PHLYの特徴と、次の60年に向けて顧客との関係をさらに強化するためのポイントについて語ります。

John W. Glomb, Jr., President and CEO, Philadelphia Insurance Co., Executive Officer, Tokio Marine Holdings, Inc.

販売代理店へのパートナーシップアプローチ

スペシャルティ保険会社として、Glombは専門分野の代理店との関係が重要だと言います。「PHLYのユニークな点は、その販売モデルにあります。私たちは選りすぐりの代理店と取引しており、約250の代理店が私たちの保険取扱高の70%近くを占めています」

残りのビジネスは約5,000の代理店からのもので、時間の経過とともに、これらの小規模な代理店の多くが優先度の高いステータスにステップアップします。要するに、ビジネスの大半は、明確に定義されたニッチ市場の顧客にサービスを提供する専門代理店からもたらされ、これがニッチ市場をサポートするスペシャルティ保険会社としてのPHLYを支えているのです。

「私はどんな代理店でも電話で直接話し、議論します。弊社のチームでは誰もがそうしています。他保険会社の中には、難しい課題が生じた時に単に代理店に連絡し、代理店がお客様に伝えてもらうだけの会社もありますが、私たちは代理店と丁寧に議論して難局を乗り切る方がはるかに健全なやり方だと思います。そうすることで、お客様、代理店、当社の三者間の信頼関係を築き、代理店と真のパートナーシップが生まれるのです」

Glombによれば、PHLYにおいては90%以上のお客様が契約を継続され、それは代理店や顧客との緊密な関係に基づくものです。

現在の課題

火災保険を引き受ける損害保険会社のCEOとして、Glombは常に天候に目を配っています。一方で、賠償責任保険を引き受ける保険会社のCEOとして、損害賠償額や訴訟費用が高額化しているという、所謂ソーシャルインフレーションにも注目しています。

「ソーシャルインフレーションは、賠償責任保険を取り扱う保険会社にとっては、今後も絶対に避けて通れない課題です」と、Glombは言います。

Glombによれば、保険会社は保険金請求の際に保険契約上の支払限度額までの保険金支払いを要求されるケースが増えており、仮に保険会社がその要求を謝絶した後に保険金請求訴訟が提起され、裁判で敗訴すると、保険金支払額に保険契約上の支払限度額が適用されなくなる可能性がある。このような状況下では、再保険コストの上昇につながり、保険会社は保険の引受と保険料率の設定に慎重にならざるを得なくなっています。

PHLYは、その他のリスクについてもリスク管理を徹底しています。例えば、激甚化する自然災害リスクへの対応は大きな課題になっています。「過去7年は、いずれも100年間平均を上回る壊滅的な暴風雨に見舞われています。もし保険会社がリスクの評価や保険料率の設定方法を変えなければ、今後何年も後手の対応になってしまうでしょう」

正確なリスク管理と保険引受基準の設定に加え、PHLYは保険でお引き受けする建物への温度および水センサーの設置費用をお支払いしているとGlombは言います。センサーからの自然災害等に関する警告により、保険契約者は即座に対策を講じることができ、被害の規模を最小限に抑え、建物に与える影響を軽減することができるのです。

PHLYはまた、商用車事業のリスク改善のためにテクノロジーを活用してきました。運転状況、運転時間、運行ルートに関するデータを提供できるテレマティクス機器65,000台以上を保険をお引き受けしている車両に設置しています。

データから生み出された情報により、顧客は自社の車両をより安全で効率的に運航することができ、PHLYは損害率を10ポイント以上改善することができました。

ともに強くなる

PHLYが東京海上グループの傘下に入って15年になります。Glombは東京海上グループが持つ国際的な知名度と財務力は明確なメリットですが、東京海上グループの他のグループ会社との協業こそが、代理店や被保険者にメリットをもたらすのだと言います。

「もし私たちがある分野の専門知識を持っていなければ、代理店に東京海上グループの他のグループ会社を紹介するか、あるいはグループ会社と提携して、必要なソリューションを提供する商品を開発します」

このアプローチは代理店と被保険者に付加価値を与え、またPHLYが多くの分野で事業を拡大することを可能にします。

Glombは、このアプローチの一例として、PHLYがTokio Marine Kilnと提携しているサイバーリスク保険を挙げています。Tokio Marine Kilnは PHLYのサイバーリスク保険の再保険を引き受けていると同時に、両社は補償とサービスを強化し、顧客をより手厚くサポートするために情報を共有しています。

もう一つの実例として、Tokio Marine Highland(TMH)との洪水保険プログラムに関する協業を紹介します。PHLY Private Flood Programは、既存のPHLY National Flood Insurance Programおよびその他のニッチ商品の提供をサポートするために2012年に開発されました。

TMHは、30年にわたり民間洪水保険の業界リーダーであるため、PHLYの保険代理店として、49の州で企業用の総合洪水保険および高額免責洪水保険といったソリューションを提供しています。

Glombは、東京海上グループのグローバルな経験と専門知識を活用し、専門的なサービスを提供することで、PHLYの顧客に大きな価値を提供し、代理店との関係も強化されると語っています。東京海上グループにおけるグローバルなパートナーシップは、すべてのステークホルダーに利益をもたらすのです。

文化とコミュニティを中心に

PHLYのもう一つの中核は、PHLYの企業文化の中心に位置するパーパスドリブンのミッションです。

PHLYは、ヒューマンサービス分野においてトップシェアを誇るマーケットリーダーです。非営利・福祉サービス分野で最大の保険会社であり、長年にわたりこれらのコミュニティとのつながりを深めることに努めてきました。

「慈善活動は私たちのDNAの一部です」とGlombは言います。「私たちは10年前に財団を設立し、小児病院から子供の奨学金まで、あらゆるものを支援しています。また、毎年25万ドルを積み立て、従業員から個人的に支援したい活動を提案してもらうようにしています」

Glombは、このような取り組みは、俊敏で規律正しいSpecialty保険会社であることに重点を置くことと同様に重要であり、保険会社が誇りとするチームスピリットの構築に大きな役割を果たしていると考えています。会社の文化は事業のあらゆるトレーニングプログラムの一部であり、これによって、常に新鮮で、頭にあり、誰にとっても大切なものとなっているのです。

そして従業員もそれを支持しています。従業員からのフィードバックにより、PHLYは2010年以来、『Business Insurance Magazine』誌の「Best Places to Work in Insurance」リストに毎年選ばれています。また、過去14年間、毎年恒例のThe Philadelphia Inquirer紙の「Top Workplace」に選出されており、過去2年間は総合2位にランクインしています。

Glombにとって、これは進化し、より強くなっている企業文化の証なのです。「私たちは自分たちのことをTEAM PHLYと呼んでいます。それは、互いにサポートし合い、お客様を助けるために必要なことは何でもすることから、正しいビジネスを生み出すために協力し合い、私たちがいるコミュニティに還元することまで、私たちの行動のすべてなのです」