ステークホルダーとの対話

基本的な考え方

当社は、開示の透明性や説明責任を担保しつつ、資本市場に対し適時、公平に、継続して情報提供することで信頼を高め、当社の企業価値向上の取組みへの理解や正しい評価の浸透に努めています。更に、経営と株主・投資家との建設的な対話などを通じて、当社に対する見方や資本市場の状況を適切に把握し、その意見や声を、経営陣を含む社内へ幅広くフィードバックすることで当社の経営そのものを改善し、企業価値の更なる向上に繋げています。

また、2023年4月より、資本市場、株主、メディア、社員等といった多様なステークホルダーとの対話をより一層強化することを目的として、対外的なIR・SR・PRと、対内的なInternal Communication全てに横串を通して業務を担う組織「グローバルコミュニケーション部」を発足し、取組みを加速しています。2024年4月には、グローバルコミュニケーション部のニューヨークデスクを新たに立ち上げ、海外の株主・投資家との対話や、情報発信を強化しています。

経営から資本主義へ開示と対話 資本市場から経営へフィードバック 「資本市場から最も信頼される会社」をめざす

投資家との対話

機関投資家との対話

当社は、決算電話会議やIR説明会、テーマ別の戦略説明会を、対面・Webの両方で開催(全世界にLive配信)しています。こうした説明会の他、1on1やグループ面談を通じて、国内外の株主・投資家と対話を行っています。2024年度に開催したイベントの詳細は、IRページをご覧ください。

2024年5月 IR説明会

経営陣等と株主・投資家との対話の実施状況(2024年度)

回数 参加企業数
(延べ)
概要
決算電話会議 2回 306社 CEO、CFO、IRチームおよび関係部による決算概要の解説(電話会議)
IR説明会 2回 322社 CEOおよび各担当役員による経営戦略等の解説(対面およびWeb配信)。なお、11月の説明会には社外取締役も登壇
Annual Investor Day 2回 81社 CEO、CFO、海外事業総括、東京海上日動社長、欧米グループ会社のトップによる、海外機関投資家向けのIR説明会(ニューヨークとロンドンで実施。対面およびWeb配信)
テーマ別説明会 1回 97社 Tokio Marine Seguradora(ブラジル)のトップによる、同社経営・事業戦略の解説(Web配信)
国内IR - 356社 CEO、CFO、IRチームによる1on1/グループ面談(対面・電話・Web)
海外IR - 352社 CEO、CFO、IRチームによる1on1/グループ面談(対面・Web)
証券会社主催カンファレンス 5回 35社 CFOおよびIRチームによる1on1/グループ面談(対面・Web)

個人投資家との対話

毎年、グループCEOが登壇する個人投資家向け説明会を開催しており、2024年度に実施した東京、広島、大阪、愛知における説明会では、合計761名の方に参加いただきました。個人投資家の関心が高い「グループ経営戦略」や「株主還元」に焦点を当てたわかりやすい解説により、高い満足度を獲得しています。引き続き、当社ファンの拡大、個人株主数の増加や個人株主の持分比率向上をめざし、丁寧な対話を実施していきます。

フィードバック

当社は、株主・投資家の皆様との対話を通じて得られた意見を、経営陣を含む社内に幅広く報告し、経営の改善に活かす取組みにも力を入れています。多くの当社社員は、日常業務においては資本市場と接することがない訳ですが、IR・SR活動報告会の場を通じて、資本市場の声や会社に対する評価、自身の業務と資本市場との繋がり等を理解しています。

それが自身のモチベーションや成長に良い影響を与え、その結果として会社も成長するという好循環も生まれています。

2024年度は、海外グループ会社6社に対してもWebを活用したInternal IR Sessionを開始し、国内外のグループ社員約2,600名(延べ人数)と当社グループの戦略等について共有・対話を行いました。

(ご参考)株主・投資家の関心事項

以下をはじめ、株主・投資家の関心事項は、決算や経営戦略の説明資料、統合レポートのコンテンツ、開示方法などのIR戦略に活かすことは元より、KPIターゲットの策定や資本政策に関する議論など、グループ戦略の高度化にも活用しています。

経営全般
  • 成長余地と確度
    内部成長のベースとなる保険引受と資産運用の基調はどうか。その成長の“角度”と“確度”をどう捉えているか。グローバルピア対比で東京海上HDは強いのか。
  • 資本政策の方向性(含むM&A戦略)
    政策株式の売却に伴い余剰資本が創出される中、どのような資本政策を実行していくのか。パイプラインも含めたM&A戦略は。
  • AI・デジタル戦略
    グローバルピアが対外開示を強化する中、東京海上HDにおける具体的な活用領域や定量効果の規模感、また、競合対比での進捗状況は。
Japan P&C
  • 東京海上日動における変革“Re-New”の進捗評価
    業界全体の競争環境はどのように変わるのか。“Re-New”による変革が内部成長のドライバーになり得るのか。
  • 自動車保険の収益改善
    ロスコストが想定対比で悪化している中、2025年10月の料率改定も踏まえた今後の収益の見通しと対応方針は。
  • 火災保険の収益見通し
    これまでの取組みにより収益は改善しているが、「資本コスト相当の収益性確保」は実現できるのか。また、これをサステナブルなものにしていけるのか。
  • 新種保険の拡大
    具体的な取組みや、更なる成長余地は。
  • ディストリビューションの変革の実効性
    代理店との”二重構造”解消などの、ディストリビューション変革の実現可能性や、取組みの進捗は。
Inter-national
  • 高い利益成長の持続性
    足元のインフレ(主にソーシャルインフレ)影響は。セカンダリーぺリルを含む自然災害の影響と見通しは。レートアップの持続性(サイクルの状況と見通し)は。
  • トランプ政策の影響
    トランプ政権による各種政策(例:関税政策等)は、業績にどのような影響があるか。
  • DFGクレジット運用の状況
    CREローンをはじめとしたDFGのクレジット運用について、足元の状況はどうか。

開示面での表彰

こうした取組みの結果として、当社は様々な表彰を受けています。