質疑応答要旨
以下は、2026年5月20日に開催された機関投資家・証券アナリスト向け2025年度決算電話会議の質疑応答の要旨です。
- Q1 バークシャーとの戦略的提携を踏まえた資本政策について。自己株式取得4,000億円は、時価総額の2%を目途とする従来の方針を見直すものか。新たな方針は決まっているか。
- A1
当社は自己株式取得を機動的な株主還元の手段と位置付けており、現中計ではEPS Growthを+2%程度押し上げる水準を目安としてきた。足元の当社時価総額は14兆円程度であり、その2%は2,800億円となるが、バークシャーとのM&Aにおける協働などを通じて、資本政策の柔軟性が向上することも加味している。提携の効果は精緻に算出できるものではないが、今後の成長投資やリスクテイク拡大に要する資本なども総合的に勘案し、現時点で適切と考える金額として4,000億円とした。
- Q2バークシャーとの再保険分野における協働によるリスク量の削減効果は、どの程度見込んでいるのか。
- A2
バークシャーとはWAQSという形で再保険取引を開始しているが、具体的なスキームは、守秘義務もあり申し上げられない。WAQSによるリスク量の削減はあるものの、再保険全体の見直しや、新たなリスクテイクなどを考慮すると、その効果は限定的であると考えている。
- Q3北米事業の26年度業績見通しについて、足元のソフト化環境を踏まえると、伸び幅が大きい印象だが、その背景は。
- A3
25年度に自然災害が少なかった反動はあるものの、多様な保険種目で構成される引受ポートフォリオをベースにレートサイクルの影響を緩和しつつ、「規律あるリスク選別」と「ボトムフォーカスの徹底」を通じて、保険引受利益の拡大を実現していく。25年度に実施したボルトオン型のM&Aによる利益貢献も増益に効いている。
- Q4修正純利益の定義変更に伴い、配当原資が従来対比で切り下がるなかで、配当性向を50%維持とした背景は。
- A4
当社の株主還元の基本が配当であること、利益成長に応じて持続的に配当を引き上げる方針は変わらない。26年度についても、EPS成長と整合的なDPS成長を実現すること等を勘案し決定しているが、会計基準や配当計算方法が変更となるタイミングでもあり、旧定義での配当水準との継続性も重視した。即ち、従来基準であるJGAAP修正純利益5年平均に対して、配当性向50%を乗じた水準となる一株あたり245円を26年度の配当予想とした。
- Q5
欧州ピアが配当性向をより高く設定していることについて、どういった議論があったか。
- A5
欧州ピアの配当性向が60%程度と高いことは認識しているが、当社には成長の余地が未だ大きく残されていると考えており、創出した資本は、更なる利益成長に繋がるM&A等の事業投資やリスクテイク拡大に活用することを第一に優先したいと考えており、配当性向は50%を維持することが妥当であると考えた。
- Q6自己株式取得について、時価総額の2%である2,800億円に、1,200億円を上乗せしたという理解でよいか。今後、その上乗せ分は、どのように決めていくのか。
- A6
ご指摘の通り、差額は1,200億円となるが、今後もこの水準で実行することを決定したものではない。バークシャーとの提携によりリリースすることのできる資本の金額は確定的に算出できるものではなく、今回の1,200億円は諸要素を含めて総合的に勘案した結果。自己株式取得はあくまで機動的な株主還元の手段であり、今後、大型M&Aを実行する場合には、抑制する可能性がある。勿論、不要な資本をため込む意図はなく、引き続きROE向上に資する資本の活用を行っていく。
- Q7CREローンの残高について、25年末時点で差押え案件が1.3Bn程度あるが、これは今後も増えるのか。また、ローン全体の引当率は5.3%だが、プライベートローンに限れば、引当率はより高いのか。
- A7
24年~25年にかけて差押えを行い、残高は増加傾向。当社のワークアウトは、物件のリノベーションやコンバージョンを進めるとともに、テナント募集によって稼働率を高め、回収可能額を引き上げたうえで売却をめざすものであり、完了までに1年単位の期間を要するため、足元では残高が増加しているように見えるが、取組みはしっかりと進捗している。引当率について、5.3%はIFRSベースのローン全体の数値であり、CREローンのみの引当率が9%程度であることから、プライベートローンに限れば、一桁前半程度。引当残高は変動しているが、引当率は大きく変わっていない。
- Q8グリーンシルのリザーブの水準について。今後も追加があり得るのか。保守的なもので取り崩しが期待できるのか。
- A8
金額としては、アジア・オセアニアの25年度事業別利益・対前年▲476億円の大宗を構成している水準感。25年度決算に織り込む判断に至った経緯は、冒頭CFOから説明の通りだが、少し補足をすると、グリーンシル関連訴訟の訴額は$5Bn程度。その中で、原告の1社であるグリーンシルバンクの破産管財人と和解交渉を進めており、この訴額が$3Bn。残り$2Bnはクレディスイスが原告となるが、現時点で和解は成立していない。今年3月に豪州の裁判プロセス上必要となる調停が行われ、当社も参加した訳だが、それを踏まえた妥当な金額を積んだもの。和解についても確定的ではないため、金額は今後ブレ得るが、現時点でのベストエスティメートだと考えている。
- Q9 バークシャーとの協業について。ボトムには具体的にどのような効果が期待できるのか。
- A9
WAQSは既にスタートしているが、再保険プログラムを全体として最適な形に再構築していくこと、新たなリスクテイクを実行していくことなどもあり、26年度利益への影響は限定的。創出したキャパシティを何に活用していくのかが、まさに当社の腕の見せ所だと考えている。
- Q10ESRが対前年で29pt低下しているが、他社と比べると変化幅が大きい印象であり、構成要素を教えて欲しい。純資産の拡大ペースがやや鈍いようにも見える。
- A10
昨年度実行したボルトオンM&A、追加でのリスクテイク、米クレジットスプレッドの拡大等が主なESR低下要因となっている。純資産については、利益積み上がりと株主還元の実施のほか、上記ボルトオンM&Aなどにより変動した。
- Q11生保の「CSM償却およびリスク調整のリリース」の規模が大きく、26年度CSM償却の対前年増加含め、他社対比で良好に見えるが、要因は何か。また金利上昇によるマイナス影響はないのか。
- A11
当該指標の水準感については過去から着実に契約を積み上げてきた結果。また25年度から26年度にかけての増加は主に25年度に実行したブロック出再によるものである。なお当該指標への金利による影響はほぼない。
- Q12 グリーンシルのリザーブ積増は、当初の予想に織り込まれていたものか。
- A12
年初予想、11月の中間予想、2月の着地見込み、いずれにも織り込んでいない。本年3月に調停のテーブルについたものであり、その状況を踏まえて織り込んだもの。
- Q13Japan事業の26年度業績予想は対前年横ばいに見えるが、収益改善は進んでいるのか。
- A13
主な減益要素として、前年に自然災害が少なかったことによる反動、政策株式売却に伴う配当減などがある一方で、自動車のレートアップ効果の発現等がそれを打ち返している。収益改善に向けた打ち手を着実に講じており、保険引受利益は堅実に改善している。
- Q14北米事業におけるプライシングの見通しは。
- A14
当社北米事業にもソフト化の影響は一定あり、やや減速はしているものの、引き続き1桁台のレートアップが実現できる見込み。例えば、大口のプロパティや再保険はレートダウンの状況となっているが、中小規模の契約を扱うPHLYは7%程度、HCCのA&Hはインフレ影響もあり2桁、同じくHCCのD&Oやサイバーは下げ止まってきている。DFG等の米国Casualtyも着実なレートアップを実現している。
- Q1526年3末の修正純資産7.2兆円について、9月IFRS説明会時の25年3末見込み6.3兆円(平残ベース)対比でやや大きい印象だがどうか。
- A15
26年3期末ベースの修正純資産は、9月IFRS説明会でお示しした数値の前提となる25年3末期末ベースから7,400億円ほど増加しているが、これは、政策株式の売却が進んだことに加え、為替の影響で海外子会社の純資産が増加したこと等が主な要因。IFRS固有の変動要因で増加したものではない。
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