2022年度第1四半期決算電話会議

質疑応答要旨

以下は、2022年8月5日に開催された機関投資家・証券アナリスト向け2022年度第1四半期決算電話会議の質疑応答の要旨です。

Q1台湾コロナに関して、当該保険商品を販売するに至った経緯について教えてほしい。
A1

今回保険金支払いの対象となった「感染時と隔離時」に保険金をお支払いする商品は、2020年以降台湾保険市場で各社から販売されていた。新安においては、感染データを収集・検証した上で昨年12月末に代理店販売を、今年の1月からオンライン販売を開始したものであり、同年2月に売り止めとした。

Q2どういった判断で新安への増資を決めたのか教えてほしい。
A2

今回の台湾マーケットイベントの発生を受け、新安がお客様にお支払いすべき保険金を全てお支払いできるように株主として応分の増資に応じることが、世界中のお客様の「いざ」をお守りするという当社パーパスに合致するものと判断した。その上で、台湾損保市場は今回のコロナを除けば、近隣アジア諸国の中でも収益性と成長性に優れた市場であるので、新安の経営権を取得し、当社主導で新安のERMをグローバルレベルに引き上げ、改めて台湾市場の収益性と成長性を確りと取り込んでいくことに戦略的意義があると考えている。

Q3P.3やP.5によれば、海外は上期で現地計画対比+約220億円の上振れ見込み、またその多くが保険引受利益によるものとのことだが、下期の見込みについて教えてほしい。
A3

海外主要拠点は、レートアップや引受拡大等による好調な保険引受利益や資産運用収益を背景に、業績は好調に推移しており、上期の速報値では現地計画を+約220億円上振れる見込みである。引き続きロスコストを上回るレートアップの実現等により利益を拡大していく。

Q4TMNFのデリバティブ損益は、ヘッジ会計は適用しないのか。また、デリバティブ損益は修正純利益算出の過程では調整されないのか。
A4

従来から為替リスクはフルヘッジする方針の中で、資産の保有区分やヘッジ対象・手段の時価変動が純資産に与える影響も踏まえてヘッジ会計適用要否を検討しており、一部が決算上のPLに影響してしまうことは理解した上で運用している。なお、デリバティブ損益は修正純利益の調整項目になっていない。

Q5P.7によると、新安の損失見込み額は台湾全土の見込み感染率をベースに計算しているとのことだが、新安の契約ポートフォリオにおける感染率が台湾全土の感染率と異なるということはないか。また、感染率等のシナリオが変化し、より多額の損失が出る場合においても、経営権を獲得する方針に変更はないのか。
A5

今回新安が計上する損失額は、台湾全土の感染率と新安の契約ポートフォリオにおける感染率の差異を調整し、さらにストレスシナリオをもとに一定のバッファも考慮して計算している。今回のコロナを除いた台湾損保市場は近隣アジア諸国の中でも優れた収益性と成長性を有しており、当社主導で新安のERMをグローバルレベルに引き上げることで、それらを確りと取り込んでいきたいと考えている。

Q6TMNFの自動車は自然災害以外の損害率が悪化しているようだが、事故頻度や単価の動向、年間の見込みを教えてほしい。
A6

自然災害を除いた自動車の発生保険金は前年同期比+115億円の増加となっており、その大半は前年のコロナの影響による交通量減少の反動によるもの。事故頻度はコロナ以前の2019年度と同水準。事故単価は自動車の各種装置が高度化しておりやや増加傾向にある。通期の見込みは現時点で見直さないが、足元の国内での感染拡大がどのように交通量に影響するのか等、今後の動向を注視していく。

Q7地政学リスクについて、今回海外で計上したロシア・ウクライナ戦争に係るリザーブ40億円は十分か。また、台湾有事の際や戦争が起きた際の影響について教えてほしい。
A7

引き続きロシア・ウクライナの状況は変動しており、今回計上したリザーブ40億円についても今後の状況次第で変動しうるが、現時点では妥当な金額だと考えている。台湾有事については、状況を注視しながら事業継続を主眼に対応していく。戦争危険については、一般的な保険契約は戦争を免責とする条項を原則付帯しているため業績への影響はない。個別に戦争危険を補償する契約については、個別契約の内容やその時々の状況次第であり、コメントを差し控える。

Q8足元の市況や台湾コロナ等によるESRへの影響は。
A8

年初時点のESRが128%、自己株式取得後で125%とお示ししている。ここから第1四半期での利益の積み上がりと、信用スプレッドのワイド化等の市場の変動による影響が相殺し、結果として足元のESR水準は年初時点から大きく変化していない。また、台湾コロナによるESRへの影響は現時点では▲2pt程度と、限定的である。

Q9海外のレートアップの動向はどうか。また、インフレが当社海外事業にどのように影響しているのか教えてほしい。
A9

欧米主要拠点のレートアップ実績は年初想定を上回って好調に推移している。足元のレート動向は昨年をピークにハード化のスピードがやや減速傾向にあるものの、引き続きロスコスト上昇を上回るレートアップを実現することで収益性を拡大していく。中南米においては、北米を上回る急激なインフレが進行したことによりロスコストが急増したが、足元ではロスコストを上回る大幅なレートアップを実現できている。また、資産運用面では、インフレ連動債を保有しており、インフレヘッジも行っている。第2四半期以降では、こうしたレートアップ効果やインフレヘッジ効果も発現してくることになる。

Q10政策株式の売却ペースが速いようだが、通期の売却額を年初計画の1,000億円から上方修正するのか。
A10

政策株式の年間1,000億円の売却計画は現時点では変更していない。今年5月にお示しした今後の売却加速についての具体的な方針は現在議論しており、その結果は早ければ今秋、遅くとも来年5月までには公表できるだろう。

Q11台湾コロナについて、子会社・孫会社に対するリスク管理体制は適正に機能しているのか。
A11

今回の台湾コロナに関する損失は、今年4月の台湾政府の突然の政策変更により台湾損保各社が損失を被るマーケットイベントとなった。その中で、当社についてはまだ感染率が0.1%と低かった今年1月に、新安に即時の販売中止を求めることで、結果として94万件に販売件数に留めることができ、当社のリスク管理が機能しているものと考えている。

Q11(更問)新安からの再保険の相談がなければ、当社は本件に気づけなかったのか。
A11(更問)

子会社とは定期的なミーティングを通じたヒアリングを実施しており、その中でも本件は認識・対応できていた。

Q12新安への増資は当社のM&A予算に影響するのか。
A12

そもそも当社にとって、M&Aは目的ではなく手段であるので、予算を有している訳ではないが、本件が当社のM&A戦略に定量的な影響を与えることはない。 

Q13台湾におけるコロナの感染拡大は、5月中旬頃には現地ニュースで話題になっていたと思うが、どこまでタイムリーな情報共有ができていたのか。
A13

本件については、まだ感染率が0.1%と低かった今年1月に当社から新安に本商品の即時販売停止を求めており、当社グループの知見を活かした先手を打った対応ができていたと考えている。

Q14あんしん生命について、第1四半期でのコロナ関連の支払いと年間の見通しについて教えてほしい。また、保有契約に比べると支払いが少ないようだが、他社と比べて保有契約やポートフォリオに違いはあるのか。
A14

1Qでのコロナに関する入院給付金等は税前▲約40億円。一方、メディカルKit R等の商品から、入院給付金等の支払いによって責任準備金の戻入れが発生するため、業績への正味影響額は税後▲約17億円。他社対比での保有契約ポートフォリオに大きな違いはないと考えている。

Q15新安への増資のスキームについて教えてほしい。
A15

本日リリース文に記載した増資内容は、新安でのコロナ損失を補填するための増減資にあたる。その上で、今後の事業継続のための追加増資を、そのタイミングや金額も含めて現地当局等との連携を密に行い検討しているところ。

Q16台湾有事のリスクが高まっているが経営ではどのように議論されているのか。
A16

社外の有識者も交えて情勢を注視しながら議論している。

Q17自然災害を除いた火災保険の損害率がやや上昇気味のようだが、第2四半期以降の見通しについて教えてほしい。
A17

自然災害および為替の影響を除いた火災保険の損害率は54.8%。ここから南アフリカ洪水の影響を除くと損害率は41%程度となり、第2四半期以降も同水準を見込む。

Q18株主還元に関して、仮に通期の修正純利益が5,500億円を下回った場合でも、通期のDPSと自己株式取得額は変更しないのか。
A18

ご理解の通り、現時点では通期予想を見直さないため、通期配当予想300円(中間配当150円、期末配当150円(※))、および年間の自己株式取得1,000億円に変更はない。
(※)期末配当150円は、株式分割前の株式数に換算した配当予想額であり、株式分割後の株式数では期末配当は1株当たり50円となる。

Q19東京海上の本社ビル本館は前川国男先生による設計で、歴史的価値のある建物だが、なぜビルを解体することにしたのか。
A19

当社本館ビルが建築士にとって意義深い建物であることは承知しているが、一方で本社ビルの災害対応力の抜本的な向上という観点では、補修や修繕では限界があり、新しいビルに建て替える方が費用対効果に優れている。また、新しいビルは木造建築という意味でも環境にも優しい設計となっている。

本資料は、現在当社が入手している情報に基づいて、当社が本資料の作成時点において行った予測等を基に記載されています。これらの記述は将来の業績を保証するものではなく、一定のリスクや不確実性を内包しております。従って、将来の実績が本資料に記載された見通しや予測と大きく異なることになる可能性があることをご承知おきください。