2021年度第2四半期決算電話会議

質疑応答要旨

以下は、2021年11月19日に開催された機関投資家・証券アナリスト向け2021年度第2四半期決算電話会議の質疑応答の要旨です。

Q1P5修正純利益の通期見通し4,900億円について、一過性の要因を控除した実力値はいくらと考えているのか。また、その実力値から、中期計画最終年度の2023年度に達成を視野に入れる「5,000億円超」へのパスを教えて欲しい。
A1

ご指摘の通り、4,900億円には一過性の要因が含まれている。具体的には、北米のキャピタルゲインや国内外での自然災害の増減に加え、正確な集計はしていないものの、国内のコロナによる損害率の低下がある。こうした要素を控除した修正純利益は概算で4,700-4,750億円程度であり、当社の実力は確実に向上していると考えている。この要因としては、例えば、海外での力強いレートアップや欧州TMKのターンアラウンド、国内自動車保険の収支改善等が挙げられる。また、これらに加え、国内においては火災保険の収益改善や新種保険の拡大、海外においてはPureの利益成長やボルトオンM&Aを通じた収益獲得、JVを含めた新興国の成長、インカム収益の増加等が成長ドライバーとなり、2023年度の利益水準は5,000億円を優に突破するレベルまで拡大する見込み。詳細についてはIR説明会の場でまたご説明したい。

Q2過去数年、北米事業はソーシャルインフレーションに苦しめられていたという理解だが、この状況は脱したと考えて良いのか。
A2

特にPHLYはソーシャルインフレーションの影響を受けていたが、マーケットのみならず、将来のロスコストも上回るレートアップや収益性を重視した引受の徹底に辛抱強く取り組んできた結果が、足元の好調な業績に繋がっている。今後ソーシャルインフレーションが再加速する可能性があるものの、先に挙げた取り組み等を通じて、更に成長できると考えている。

Q3資本政策について、今回は一時的な配当を見送っているが、今後はどうか。
A3

一時的な配当は、投資家の皆様の選好を踏まえ、資本水準調整の手法として採用した経緯にある。一方で、この一時的な配当と普通配当の合算値と、年初予想の普通配当を見比べて、減配と誤解される可能性もあり、株主還元のわかりやすさを向上させる観点から、今後は一時的な配当は行わないこととした。なお、今般、普通配当を年初予想から増額しているが、これを昨年と同様に一時的な配当で実施した場合は、この金額だけ資本水準調整の年間の枠を費消することになることも考慮した。

Q4資本水準調整に関するスキームについて、今後変更の予定はあるか。
A4

2021年度に導入したスキームは、当社の「資本水準調整はやるのか、やらないのかではなく、やるのだ」という意思を示したつもりだが、株式市場の皆様から多くの、また様々なご意見をいただく結果となった。したがって、2022年度はこのスキームは取りやめ、皆様からご評価いただける内容に改める。

Q5利益成長の確度が高まったということだが、5月の中期計画発表からこの6か月で何が変わったのか、教えて欲しい。
A5

これまで当社が取り組んできたグローバルなリスク分散をはじめとする経営戦略とその着実な実行により、経営の実力を高めてきた結果が、数字にも見える形で表れてきたものと認識している。アンダーライティングの強化による収益力のレベルアップや、グループ間のシナジーに向けたグループ各社の意識の高まり等、足元でも大きな変化を感じている。こうした経緯を踏まえ、今般、通期予想の上方修正を行った。不確実性の高い時代ではあるが、気を引き締め、更に実力を高めていく。

Q6資本水準調整の総枠について、今後利益成長が順調に進めば、1,000億円を超えるものと理解して問題ないか。
A6

当社では、資本水準調整をストックの調整と位置付けている。フローである利益の成長は、資本の増加とESRの向上を通じて、結果として資本水準調整に繋がることとなるが、その金額やタイミングについては、引き続きESRの水準やM&Aのパイプライン、事業環境、金融市場、ROEターゲット等も総合的に勘案し、規律を持って実行していく。

Q7年初予想の水準は、毎年海外が保守的でネガティブな印象を受けるが、この点についてどのように考えているか。
A7

当社の業績予想は、丁寧な論議を通じてボトムアップで積み上げたもの、地に足の着いたものであり、達成確度は高い。今後の利益成長に向けて、海外が大きなドライバーであることは海外部門トップも含めよく認識しており、HDも関与しながら、着実な成長を実現していく。

Q8海外ピアを見ていると、トップラインが3Qで加速しているようだが、当社の状況はどうか。
A8

当社においても、3Qは順調に伸長している。なお、当社の海外事業は一貫してボトムフォーカスであり、闇雲にトップラインを追いかけることはないが、強みであるリスク選択能力を活かしながら、取るべきリスクはしっかりと取り、更なる利益成長に繋げていく。

Q9P7を見ると、配当性向が2023年度以降50%で安定するように見えるが、この点についてもう少し詳細に教えて欲しい。
A9

当社の株主還元の基本は普通配当であり、利益成長を通じてDPSを持続的に高めていく方針。その上で、2023年度以降は、平均的修正純利益の50%を普通配当で還元し、残りの50%については、まずは成長に向けた投資を検討し、機会に恵まれなければ規律を持って株主還元を実施していきたいと考えている。

Q10足元ではM&Aの実行は見込んでいないということだが、良い案件が無いということか、或いは必要性が無いということか。当社のM&Aに対する考え方も含めて、改めて教えて欲しい。
A10

当社にとって、M&Aは目的ではなく、あくまでリスク分散のための手段であり、厳格な買収基準に則り、良い相手があれば機動的に実行していく。そして、この考え方は今後も変わらない。大型M&A、ボルトオンM&Aいずれについても、HDも関与しながら、ロングリストやショートリストを常に精査しているが、足元、M&A市場自体はグローバルにActiveであり、良い案件があってもバリュエーションが高すぎる等、直ぐに公表できるようなM&Aはない。今後は、新しいアペタイトも含め、引き続き精査を続け、良い案件があれば規律を持って実行していきたい。

Q11通期予想の修正について、P26の修正純利益とP42の財務会計利益では、ウォーターフォールの金額に差があるが、この要因についてTMNFと海外保険のそれぞれ教えて欲しい。
A11

TMNFの財務会計利益では、自動車保険における発生保険金の減少を踏まえて、初年度収支残や異常危険準備金の負担増加を見込んでいるが、修正純利益ではこれらが控除される。また、海外保険については、P26では事業別利益を、P41では連結調整を含めた財務会計利益を開示しているが、両者には決算対象の範囲や、無形固定資産・パーチェス差額の償却有無といったテクニカルな差異があり、これらが差額の要因となっている。

Q12P26について、TMNFおよび海外保険における、自然災害以外の一過性の要因について、それぞれ教えて欲しい。
A12

TMNFはコロナ影響による自動車保険を中心とした発生保険金の減少、海外保険は北米拠点のキャピタルゲイン。これらが一過性要因だと考えている。

Q12(更問)同ページに記載されているアジア生保における責準負担減少は一過性要因として考えて良いか。
A12(更問)

当社が実力値として考えている「4,700-4,750億円」を概算するにあたっては、一過性要因として控除していない。

Q13修正純利益の通期予想について、海外保険の上方修正額+350億円のうち、北米拠点のキャピタルゲインはどの程度含まれているか。
A13

+120億円程度含まれている。

本資料は、現在当社が入手している情報に基づいて、当社が本資料の作成時点において行った予測等を基に記載されています。これらの記述は将来の業績を保証するものではなく、一定のリスクや不確実性を内包しております。従って、将来の実績が本資料に記載された見通しや予測と大きく異なることになる可能性があることをご承知おきください。