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リスクベース経営(ERM)

当社グループでは、新中期経営計画を推進していくための経営基盤として「リスクベース経営(ERM*1)」に取り組んでいます。具体的には、「リスク」・「資本」・「利益」の関係を常に意識し、リスク対比での「資本の十分性」や「高い収益性」を実現することにより資本コスト*2(7%)を上回る資本効率を実現する経営を行い、財務の健全性を確実に維持しながら企業価値の持続的な拡大を目指します。

この「ERM」を実践するための仕組みとして「ERMサイクル」があります。「ERMサイクル」とは、リスクアペタイトに基づき事業計画を策定、資本配分を決定した上で、振り返り、評価を行うサイクルです。

ERMサイクルでは、まず、「どのような事業領域でどのようなリスクをどの程度まで取ってリターンを獲得するか」という経営の基本的な指針を明らかにすることを意図して「リスクアペタイト・フレームワーク」を設定します。当社グループは、主に保険事業(保険引受および資産運用リスク)においてリスクテイクを行い、保険引受においてはリスク分散、資産運用においてはリスク対比で収益性の高い投資を、それぞれ留意することで資本効率の向上を図り、将来的に12% 程度のROE 実現を目指しています。また、健全性の観点では、AA 格相当の資本を維持することを目指しています。こうした基本的な考え方や、リスク区分別・事業分野別の具体的なリスクテイク方針を「リスクアペタイト・フレームワーク」として定めています。

次に、各グループ会社はこの「リスクアペタイト・フレームワーク」に基づいて事業計画案を策定します。東京海上ホールディングスは、財務の健全性と収益性のバランスを維持しながら持続的な成長を実現できる内容となっているかというグループ全体視点に基づき検証し、事業計画や各事業分野への資本配分を決定します。配分された資本に基づくグループ会社での取り組み成果については、毎年振り返り、必要な改善を行います。

なお、財務の健全性については、エコノミック・ソルベンシー・レシオ(ESR)の考え方をベースに、規律をもって運営しています。リスクをAA 格の信頼水準の99.95%バリューアットリスク(VaR)で計量評価し、財務会計上の連結純資産をベースにした「実質純資産」との比をとることでESRを算出しています(ESR=実質純資産/リスク)。ESR のターゲットレンジは150〜210%としています。

  • *1
    ERM : Enterprise Risk Management
  • *2
    資本コスト: 投資家が投資先企業に期待する収益率のことをいいます。当社グループでは、CAPM 法(資本資産評価モデル)により算出しており、成果指標の策定や事業投資の判断に活用しています。
強固なERMの推進 エコノミック・ソルベンシー・レシオ(ESR)をベースとした資本管理の考え方 210% 事業投資、追加的リスクテイク、株主還元を実施 150% Target Range 事業投資、追加的リスクテイク、株主還元を柔軟に検討 100% 利益蓄積による資本水準回復を目指す リスク抑制的な事業運営により、リスク水準の抑制を図る リスク削減の実施 資本増強の検討 株主還元方針見直しの検討

先ほどご説明した新中期経営計画も、基本的にこのERMサイクルに準じて策定されています。下図は、新中期経営計画を、ERMの観点で整理したものです。事業構造改革やグループシナジーの取り組みにより「持続的な利益成長」を実現するとともに、生み出された利益・資本を、健全性を維持しつつ更なるポートフォリオの分散や株主還元の充実といった「資本の有効活用」に振り向け、それがさらに次の成長に繋がることを目指しています。

リスクベース経営(ERM) 持続的利益成長国内損害保険事業 ・グループ中核事業として持続的成長 ・新種保険の拡販によるポートフォリオ変革国内生命保険事業 ・グループの長期的利益に貢献する成長ドライバーとして、経済価値ベースの企業価値を拡大 ・保障性商品の拡大海外保険事業 ・グループの成長ドライバーとして高い内部成長の実現と新規事業投資の実行グループ全体 ・更なるシナジーの発揮 ・事業費の適切なコントロール 利益の創出 資本の有効活用成長に向けた投資 ・分散の効いた新規事業投資 ・将来の収益基盤構築に向けた先行投資(新商品・新技術)リスクの削減・コントロール ・政策株式の継続売却、自然災害リスクや金利リスクのコントロール株主還元 ・株主配当水準の引き上げ ・機動的な自己株式取得などによる適正資本水準への調整 戦略的資本配分 → 利益成長+株主還元の充実+健全性確保

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