2015年度第2四半期決算電話会議

質疑応答要旨

以下は、2015年11月18日に開催された機関投資家・証券アナリスト向け2015年度第2四半期決算電話会議の質疑応答の要旨です。

Q1海外保険事業において、自然災害による発生保険金を年初約460億円(税引前)で見込んでいるが、通期の修正予想においてどの程度、見込んでいるか。また、第2四半期までの自然災害による発生保険金の水準について、教えてほしい。
A1

第2四半期までの自然災害による発生保険金は約110億円(税引前)であり、修正予想において、税引前で約270億円、税引後で約200億円を見込んでいる。

Q2通期の修正予想において、東京海上日動の外国株式配当金を年初予想から900億円上方修正している。これはHCC社買収資金調達に係る配当等としているが、今後の買収資金返済やそれに伴うESR低下の復元のため、政策株式の売却を加速化させることを検討しているか。
A2

5月に公表した中期経営計画において、毎年1,000億円以上の政策株式を売却する方針としており、変更はない。適正なESRの水準を確保していく観点で、引き続き売却を進めていく。

Q39月末のニュースリリースにおいて、台風15号による東京海上日動の元受発生保険金を320億円程度としていたが、第2四半期決算時点で約420億円と100億円増加している。当初の発表よりも金額が増加した要因について教えてほしい。
A3

当初発表した金額は、過去に発生した台風を基に見積もっているが、増加要因は支払単価の上振れによるものである。台風の勢力や進路により、実績と一定の差が生じるものと考えている。

Q4海外保険事業において、自然災害による発生保険金を年初通期予想の約460億円から今回、約270億円に減らしているにも関わらず、事業別利益は40億円の下方修正となっている。欧州などで業績を下方修正している理由および来期以降の見通しについて、教えてほしい。
A4

海外保険事業の業績予想を下方修正している理由については、欧州における大口事故、天津爆発事故、為替、アジア生保における相場変動の影響によるものである。16年度については、再保険市場での過剰キャパシティーによるソフト化の影響が元受ビジネスにも波及することや、新興国の景気減速による成長鈍化等の懸念要因もあるため、注視していく。

Q5東京海上日動では、自然災害と異常危険準備金の影響を除いた保険引受利益を年初の通期予想から約80億円程度下方修正しているが、自動車保険におけるIBNR備金の積増負担の増加が下方修正の要因か。
A5

自動車保険における過年度事故の発生保険金の増加や、上期に発生した海上保険やその他種目における大口事故を反映し、下方修正を行った。

Q5(更問)保険引受利益の中には、当初の想定よりも収支が改善していて、通期予想を上方修正している部分もあるか。
A5(更問)

上期実績を踏まえ、上方修正している部分もある。

Q6今回、修正純利益の通期予想を310億円下方修正している主な要因は、自然災害の影響によるものと考えてよいか。
A6

主な要因は自然災害の影響によるものだが、財務会計上の当期純利益よりも下方修正の幅が大きいのは、組替表にお示しの通り、異常危険準備金繰入額や株式有税評価損の調整によるものである。

Q7他損保や大手銀行の中には、政策株式の売却を加速化させることを明言している会社もあるが、貴社においては年初の政策株式売却の方針を変更することは検討しているか。
A7

現時点においては、年初の中期経営計画でお示しした年間1,000億円以上を売却とするという方針から変更はない。2002年度から平均して毎年1,000億円程度の政策株式を売却してきており、今後もリスク量削減の観点から継続して削減を進めていく。

Q8HCC社の買収が完了したが、中期経営計画を見直す予定はあるのか。
A8

11月下旬に予定している下期IR説明会でご説明申し上げたい。

Q9連結ベースの当期純利益は通期予想2,200億円に対して、上期で856億円と進捗率が40%を下回っている。一方、修正純利益は通期予想2,960億円に対して、上期は1,403億円と約50%の達成状況となっており、計画通り、順調に進んでいると考えてよいか。
A9

国内損保事業においては、上期に自然災害の影響を大きく受け、損害率が高くなる傾向であること、増収により異常危険準備金の積増負担が増加したことから、連結ベースの当期純利益の進捗率は低くなっている一方、修正純利益では異常危険準備金の影響を除いており、進捗率が良くなっている。今年度は自然災害による発生保険金の増加の影響があるものの、それを除けば順調に進んでいる。
なお、下期については、台風等による火災・自動車保険等の保険金支払の増加や季節的要因による自動車保険の支払保険金増加により、W/Pベースの損害率が悪化し、異常危険準備金が取り崩された場合、連結ベースの当期純利益に対して取崩の影響が利益方向に働くこととなる。一方、修正純利益においては、この異常危険準備金の影響が控除される。

Q10自然災害や大口事故の影響を除けば、年初計画通りに事業は進んでいるのか。
A10

東京海上日動については、自然災害や大口事故の影響を除けば、年初計画通りである。海外保険事業においても、自然災害、大口事故、為替の影響を除けば、年初計画通りであるが、マーケットのソフト化や景気の減速感があるため、注視していきたい。

Q11大口事故による発生保険金への影響額を教えてほしい。
A11

東京海上日動については、上期で税引前100億円弱となっている。海外保険事業においては、欧州で税引後30億円程度となっている。

Q12修正純利益・修正純資産の組替表でのれん・その他無形固定資産の通期予想金額が▲5,400億円となっているが、これは主にHCC社買収に係るのれんと考えてよいか。
A12

その通りである。HCC社は第3四半期からBS連結する予定であり、今回の通期予想ではHCC社買収に係るのれんを見込んでいる。なお、修正ROEの分母である修正純資産は期初と期末の平残であり、HCC社買収に係るのれんについては、期末の修正純資産に影響してくる。

Q13今回の通期予想において修正純利益を310億円下方修正しているが、今年度の配当金額に影響はあるか。
A13

配当原資については中期経営計画で過去5年間の平均的な修正純利益としており、今期の下方修正による影響は薄まる。また、今年度の1株当たり配当を105円に維持した場合、配当性向は前年度の37%に対して今年度は38%程度となる見込みである。今後も利益の安定性を高め、利益成長に伴う配当総額の安定的な成長を目指していきたい。

Q14HCC社の買収資金について、自己資金で賄うのか外部調達を行うのか教えてほしい。
A14

買収資金の一部についてはローンなどの外部調達を実施しているが、必要資金の過半はグループ内の手元資金で賄う予定である。また、エクイティファイナンスは行わない。

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