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復興の地、神戸で行う「ぼうさい授業」

「防災の知識を子どもたちに伝え、次の災害に備えるための手助けをしたい」と、東京海上グループが東日本大震災の教訓を踏まえ、2012年に始めた「ぼうさい授業」。その思いは、阪神・淡路大震災から20年経った神戸へとつながりました。

Q神戸市の小学校で「ぼうさい授業」を行うことになった経緯を教えてください。

東京海上日動火災保険
関西公務金融部
大阪公務課 担当課長
竪 淳二

「ぼうさい授業」は、東京海上グループの社員がビジネスで培ったノウハウを活かして、何か社会のお役に立てることがないだろうかと考え、自発的に始めた取り組みです。それを、神戸でも地域貢献の一環として実施したいと考えていました。
今、神戸市民の約4割が阪神・淡路大震災を経験していないといわれていて、今後この比率はどんどん上がっていきます。子どもはもちろん、若い先生方にも震災の記憶がほとんどないという状況です。また、兵庫県や神戸市の職員でも社会人として震災を経験していない方が多く、県や市は震災の経験と教訓の継承を大きな課題と捉えています。そこで市に対して「ぼうさい授業」を提案したところ、快諾いただき、「シェイクアウト訓練」の一環として位置づけていただくことになりました。
「シェイクアウト訓練」とは、神戸市の平成26年度総合防災訓練の一つです。「事前登録」、「事前学習」、「訓練開始」、「振り返り」の4つの段階を踏まえた訓練の総称で、参加の意思さえあれば、どこでも誰でも気軽に参加できます。東京海上日動ではこの取り組みに賛同し、小学校における事前学習の一環として、市内11の小学校でぼうさい授業を実施することになりました。

Q授業を実施するまでに、どのように準備を進めてきましたか。

やるからには一方通行にならないよう、先生方の考えや期待もお伺いして、こちらも思いをもって実施しなければと思っていました。もしこちらが本気でなければ、その態度や思いは子どもたちに見透かされてしまいます。
ですから各小学校に、最初はごあいさつで、次に機器の動作確認で、そして本番と、3回お伺いするようにしました。その中で、学校側と自分たちの伝えたいことをすり合わせ、原稿を読むだけの授業にならないようにと準備してきました。
私自身、今回初めてぼうさい授業の事務局を務めたので、最初は不安でした。先生方から「話を聞く時間が長くなってしまうと、子どもたちは飽きてしまう」「動きのある映像やクイズを入れて興味を持たせる」「挙手する子は限られるので、なるべく多くの子どもに発言の機会を与える」といったアドバイスをいただいて、毎回講師役の社員と、改善しながら進めてきました。

Q授業を通じた子どもたちの反応はいかがでしたか。

学校の外から人が来て話をするということは、それだけで子どもたちにとって特別な経験になっていると感じます。学校でも避難訓練などを繰り返し行いますが、保険会社である私たちならではの伝え方もあると思います。
授業は「地震はどうして怖いのか」「地震や津波はどのように起こるのか」「もし地震が起きたらどうするか」の3つのテーマに添って進めますが、津波の広がり方が分かる実験映像や実際の防災グッズなどは見る機会が少ないようで、興味が集まっていました。先生方からの反響も大きかったですね。
また「日本で起きた大きな地震にはどんなものがあるか」という質問で、阪神・淡路大震災や東日本大震災だけでなく、関東大震災と答えてくれる子どもたちがいたのも印象的でした。そんな昔のこともきちんと知っているんだなと。

Q授業を通じて子どもたちに一番伝えたかったことは何でしたか。

「家に帰ったら、授業のことを家族ときちんと話をしてほしい」と、毎回の授業で話してきました。一度聞いたことは、すぐに忘れてしまいます。また、授業の中で自宅に防災袋を置いているかどうか質問すると、2~3人しか手が挙がらなかったりします。震災を経験した神戸でもこの状況ですから、なおさら家に帰って家族と話し、少しでも記憶に留めて、これからの防災に役立ててほしいと思っていました。

20年前、私は芦屋にあった独身寮に暮らしていて、そこで阪神・淡路大震災を経験しました。本当に命の危険を感じたできごとでしたが、それでも自分の中でだんだん風化しているという実感があります。もしこの地を離れて暮らしていたら、もっと忘れてしまっていたかもしれません。

しかし、東日本大震災後に東北を訪れ、見渡す限り荒涼とした光景を目にしたとき、改めて災害の怖さを痛感しました。そして、自分に何かできることはないか、伝えられることがあるのではないかと思うようになりました。被災地だからこそ、被災した人だからこそできることもあると思います。
今回のぼうさい授業の取り組みは、県や市にも思いがあり、連携できたからこその成果です。これからも継続していきたいですし、講師をやってみたいという社員が自分から手を挙げて、経験を積み、自分の体験を周りに伝えることでますます広がっていけばよいと思います。

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