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「老いて豊かと語れる暮らし」を実現する

東京海上グループでは、東京海上ホールディングス100%子会社である東京海上日動サミュエルにおいて、東京、神奈川、長野、京都の4都府県で「ヒルデモア」「ヒュッテ」のブランド名で、11の介護付有料老人ホームを運営しています。

Q東京海上日動サミュエルでは、どのように事業を展開されていますか。

松下 妙子
東京海上日動サミュエル 執行役員
ヒルデモアたまプラーザ・ビレッジIII 支配人

高齢者が安心して生活できる「家」を提供したいという想いから、2000年12月にたまプラーザ(神奈川県)に初めてのホームを開設して以来、「ヒルデモア」「ヒュッテ」のブランド名で11の介護付有料老人ホームを運営しています。ご入居者の「老いて豊かと語れる暮らし」を実現するため、当初から認知症やターミナルケア(看取りの介護)に力を入れ、品質の高い介護サービスを提供しています。現在、私が勤務する「ヒルデモアたまプラーザ・ビレッジIII」には、65歳から100歳まで約70名の方がお住まいです。隣接するビレッジI、IIと合わせると、約200名の方がご入居されています。

私たちのホームの特徴は、入居契約書にいわゆる退去条項がないことです。一般的には、認知症などの症状が進行して共同生活が困難になった場合や、入院などによる不在が長期間継続した場合などには、ホーム側から契約を解除できるようになっていますが、私たちの入居契約書にはそのような条項はありません。これは、高いスキルを持つスタッフによる介護・看護体制が整っているからこそだと思います。

Q北欧の介護施設を参考にホームを作られたそうですね。

サービス面でモデルにしたのが、デンマーク・コペンハーゲンの高齢者住宅「ハーゴーン」です。1998年に視察チームの一員として初めて訪れた時は、とても驚きました。いつ食事をしてもいいし、どこへ出かけてもいい。門限もない。自由で開かれた雰囲気の中で、老いや障がいがあっても、人々はごく普通に、まるで自分の家にいるように過ごしていました。決められたスケジュールやルールの中で、決められたものを食べ、決められた時間に寝るという、当時の日本の介護施設とはあまりに違っていました。

何よりも印象的だったのは、入居者の笑顔です。誰も自分の将来に不安を感じていませんでした。そこには、「年を重ねても、障がいがあっても、暮らし方は自分で選ぶ」という当たり前の生き方がありました。よく考えれば、これまで自分で自分の人生を決めてきたのに、年をとったら自分で決められないというのはおかしなことです。年をとるのは自然なこと。老後も自分らしく生きていいはずです。

制度も文化も違う日本で、デンマークのサービスをどこまで実現できるか不安もありましたが、「介護が必要になっても、高齢者が安心して楽しく暮らせる『家』を提供したい」という思いを強くしました。

Q日々の食事で心がけていることは何ですか。

ご入居の際に皆さんが重視されるのが、食事です。当社では、それまで社外に業務委託していた調理を2011年に直営化しました。自前の調理部門を持っているおかげで、きめ細かなサービスができています。たとえば、いつまでも「食べる喜び」を感じていただけるよう、食事の形態を9つに細分化し、一人ひとりの飲み込む力に合わせて最適なものを提供しています。また、きざみ食を召し上がる方のために、オリジナルの介護食も開発しました。これは、見た目も味も通常の食事とほとんど変わりませんが、舌でつぶして飲み込める柔らかさです。かむ力や飲み込む力が弱くなっている方でも、安心して召し上がっていただけます。

このオリジナル介護食は、スタッフがご入居者を思う気持ちから生まれました。あるスタッフが担当するご入居者に大変なグルメがおられたのですが、きざみ食しか食べられなくなると食欲もなくされてしまいました。「まだ箸が使えるのに、スプーンを使う食事しか食べられない。これが、入居者にとってベストな食事なのでしょうか」と涙を流すスタッフの一言がきっかけとなり、開発が始まりました。

Qスタッフ教育では、どんなことに力を入れていますか。

当社では、ご入居者には「コンタクトパーソン」と呼ばれる担当の介護スタッフがつきます。ご入居者が安心してその方らしくお過ごしになれるよう、コンタクトパーソンには、ご入居者の趣味や食べ物の好みから人生の道のりまで、本当にたくさんのことを把握してもらいます。
また、ご入居者の体調は刻々と変化しますので、その時々の状況に合わせて「この方のために今何ができるのか」を考え、よりよいサービスをご提供するようスタッフを指導しています。スタッフが、ご本人やご家族から「あなたでよかった」という声をいただくと、私も本当にうれしく思います。

OJTだけでなく、各種研修も充実しています。体系的な育成プログラムのもとで、「入社時研修」(2回計5日間)、入社年次・役職別の「階層別研修」、専門性を高める「スキルアップ研修」(3日間)などを行っています。また、海外研修も毎年実施しており、選抜された社員をデンマークの介護施設等に派遣しています。きめ細かで温かな介護や看護は、スタッフ全員が同じ価値観を共有していないと実現できません。そこで私たちの理念や想いをまとめた「ブランドブック」という小冊子を作り、入社時に社長から社員一人ひとりに手渡ししています。悩んだ時、迷った時に、自分たちの原点に戻るための冊子です。

Q最後に、ホーム運営への想いについてお聞かせください。

お客様の中には「介護付有料老人ホームは、人生最後の買い物」と言ってご入居された方もおられます。私たちは、こういった方に選んでいただいたことを自覚し、全員が想いを一つにして、「本物の終(つい)の住処(すみか)」としてふさわしい暮らしを提供していきます。

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