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災害早期復旧支援サービスの提供

東日本大災害への対応 災害早期復旧支援サービスの提供

東京海上日動
企業営業開発部 担当部長兼
ベルフォアジャパン
プロジェクトコーディネーター
園田 義彦

東京海上グループは災害復旧支援分野で高い専門技術を持つベルフォア社と提携し、災害や事故に遭われた企業のお客様の設備・機器などを修復することにより事業の早期再開につなげる支援サービスを提供しています。

2011年3月11日に発生した東日本大震災により、東北地方を中心に多くの企業が被災されました。東京海上グループでは、保険金の迅速なお支払いに努めるとともに、本サービスを通じて事業の早期再開に向けた支援を進めています。支援の実施状況やお客様からの声、今後の展開などについて、東京海上日動火災企画営業開発部担当部長兼ベルフォアジャパンプロジェクトコーディネーター(業務推進部長)の園田義彦さんに話を聞きました。

Q東日本大震災の発生以降これまでの支援の実施状況について聞かせてください。

復旧に向けた支援を進めるには、まずお客様の被災状況を把握する必要があります。このため、大震災発生直後から東京海上日動の現地社員と連携をとりながら、何度も被災地に赴き、被災された工場などの調査を行ってきました。

東京海上日動では震災以前より、事業者向け火災保険に「安定化措置費用担保特約」を付帯し、ベルフォア社による復旧支援を受けられる仕組みを整えてきましたが、被災されたお客様は震災対応に追われ、復旧支援が受けられることを認識されていない場合もあります。そこで、対象となるお客様を1件ずつ訪問し、例えば津波により泥をかぶってしまった機材でも洗浄修復する方法があることをご説明して歩きました。これまでに、大手メーカーの大規模工場を含め約60件の調査依頼を受けています(2011年6月末現在)。津波により大きな被害を受けた地域が中心ですが、北海道や関東地方の内陸部などからも依頼があります。設備・機器が大幅に損傷したり一部が消失したりするなど修復が困難なケースも少なくありませんが、15の案件で復旧を実施しました。

Q具体的にどのようなプロセスで修復作業を行っているのですか?

まず、現地を訪問して被災状況を調査し、設備・機器の修復が可能かどうか、可能な場合どの程度の期間を要するのかなどの事項についてレポートを作成します。レポートの内容に基づき、お客様から修復の実施を依頼された後に本格的な作業に着手します。

具体的には、設備・機器を分解し、ドライアイスの粒や化学薬品などによる精密洗浄、純水による洗浄、乾燥、顕微鏡による確認、再組み立てといったプロセスを経て、最終的に動作確認を行います。さまざまな製品や部品の性質や被害の状況に応じた的確な処理を行うために、50種類以上の洗浄剤を用意しています。

修復の対象は、生産設備・機械、受配電盤、電子顕微鏡、金型など多岐にわたっています。このほか、津波で海水に浸かった書類の修復も実施しており、紙類へのダメージが少ないフリーズドライ法という技術を用いて作業を進めています。

通常、修復作業は被災された工場などの現場で行いますが、電力が復旧していない地域や施設内に汚泥が堆積している工場など、現場で作業を行うことが困難なこともあります。このような場合、東京の作業拠点(ワークショップ)に罹災した機器等を移送して修復作業を行っています。通常時に比べ対応件数が多く、また関東では電力供給に不安があったことから、急遽、福岡にも作業拠点を開設し、迅速な修復作業が出来る体制をとりました。

ベルフォア社は世界に約170の拠点を持っており、大規模災害などの発生時には相互に連携協力を図る体制を整備しています。今回の大震災への対応においても、各国の拠点から応援を得て、専門の技術者を増強し、復旧作業を進めています。

さらに現場での洗浄や配線等の復旧作業では人手を必要としますので、企業の従業員の皆さまにご協力を頂いたり、一部の作業を震災により職を失われた方々に仕事として依頼するなど、協働体制で進めることで、よりスピーディな復旧を目指しています。

Q支援サービスを受けられたお客様からは、どのような声をいただいていますか?

設備や機器の修復作業を実施させていただいたお客様からは、「保険金の支払いだけでなく、復旧に向けた支援サービスを受けることができて大変助かった」「事業の継続を断念することなく、早期の再開につなげることができた」といったお言葉をいただいています。また、支援サービスを受けられたお客様が、地域の産業の早期復旧に向け他の企業にもこのサービスの活用を広めてくださっている、といった事例も見られます。

新品交換よりも費用を大幅に抑えることができ、財務面のメリットも大きいのですが、事業再開までの期間短縮という点にお客様は大変喜んでくださいます。

被災した設備や機器を新品と交換する場合、数ヶ月から、物によっては納入まで1年近くかかるケースもあります。汎用品に関しても、今回のような未曾有の災害の後ではメーカーに注文が殺到して調達にかなりの期間を要するといった状況が生じています。これに対して設備等を修復して機能を回復する場合、数日から数週間で再稼働が可能になります。今回の震災でも、1週間以内に復旧できたケースもあります。この早期復旧が、企業のお客様にとってみれば、保険金以上の価値になることを実感しました。たった一つの機械でも動かなければ、事業を再開できない。そして事業を再開できない期間が長引けば、倒産を考えざるを得ない企業も中にはいらっしゃいます。「こんなに早く復旧できて、本当によかった」というお言葉に、この復旧支援サービスを社会に広めていきたいという思いを新たにしました。

Q今後どのような点を重視していく考えですか?

災害復旧は時間が勝負だとも言われます。被災から時間が経つにつれ、サビや腐食が進み、修復が難しくなることが多いためです。しかし今回は湿度の低い日が続き、また泥がコーティングのような役割を果たしたのか、6月に入ってからも修復が可能なケースがありました。引き続き1件でも多くの復旧を目指し、被災状況やニーズの把握に努めていきたいと考えています。

事業の早期再開は、個別企業の事業活動の継続という観点だけでなく、サプライチェーン全体をいち早く復旧させる、ひいては社会を復興するという意味からも重要な課題だと感じています。

地域の復興に向けては、被災された企業が1日も早く元気を取り戻すことが大切です。災害早期復旧支援サービスを通じて地域の社会経済に少しでも貢献できればと考えています。

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